帰国後、前と同じように日本の社会やコミュニティに所属して、逆に疎外感や空虚感、カテゴライズされる不満足な生活をやり過ごす毎日。
そんな中で、海外に出て20年間帰国せずに旅を続けている人のテレビ番組を見た。
この方には到底及ばないが、自分も数年間海外で1人で生きていた事を思い出した。
あの時は、毎日が苦しかったけれど、自分の人生を自分でコントロールしていたと思う。毎日何時に起きて、何をして、どこに行くのか、今やる事をどこに繋げていくのか、苦しみも喜びも基本的には自分の判断や意思に基づいていた。
今はその感覚がない。起きる時間も、やる事も、行きたい場所(行ける場所)も、苦しみも社会から半ば強制されている。
かといって、今の生活を捨てて、38歳でもう一度あの世界に戻ることはできないというブレーキが自分の中にある。
一度でもそういう経験が出来た事を良しとして今の生活を受け入れるべきなのか、日本で同じように、毎日時間を肌で感じるような生活を手に入れられるのだろうか。
天国は地獄の中にある、地獄からやっとの思いで這い出て見れば、そこにあったのは砂漠だったっていうのはあながち間違ってないと思う。