症状

さっきネットニュースをたまたま見ていて(見たくないニュースが多いので普段は意識してみないようにしてる)某昔のアイドルの方が自身のパニック障害の話をしている記事を見た。

 

芸能人のこういうメンタル系の話って一定数ウソっていうかファッションで言ってるのもあるから普段は懐疑的なんだけど、この人に関しては昔からの映像とか話の内容を聞いていると本当にそうなんだと思った。

 

彼の場合はパニック障害ということで自分の不安障害とは少し違うとは思うけど、症状として共通することも多くて読み入ってしまった。

 

メンタル系の障害って心の問題、考え方の問題って思われがちだけど、症状出る時って物理的な身体症状が現れると思ってる。

 

例えば自分の場合は症状がひどい時は電車に乗り続けられなくて、家までの40分くらいの通勤中に急に耐えられない不快感に襲われて顔が真っ赤になり、車両で1人だけ真冬に汗だくになって、降りる予定ではない駅で降りてそのままホームに30分汗や動悸が治るまでずっと居たりした。

 

人が自分を見ている感覚を感じる場所、電車や美容院、喫煙所では高確率で発生して自分では止められない。ひどい時は手が震えて、自分の体の変化を、悟られないようにパニックになって頭の中は真っ白だった。

 

心の持ちようだったり、呼吸法、栄養バランスや睡眠、暴露療法、、、いろいろ試したけど突然早くなる呼吸や、上がる体温、流れ落ちる汗、手の震えのような物理的な体の変化をこれらの方法で魔法のように消し去ることなんてできない。まさに焼け石に水

 

だからそういう物理現象に対処して社会生活を送るために薬を処方してもらったけど、結局薬もリスクがとんでもなく大きくてやめた。薬は確かに物理的に体の反応を変えてくれる。薬が聞いている無敵タイムなら電車も途中下車しなくて済むし、周りの人間が自分を見ていてもどうでも良くなる。外界の刺激に対して麻痺した、言うなれば酔ったような感覚。

 

一方で自分の精神状態も変えてしまう。自分の基本的な性格や思考自体は変わらないんだけど(これは酔った状態とも近い)、例えば怒りを感じても普通の状態なら相手に怒鳴ったり殴ってしまうといった行動には大きなハードルがあって、自分で自分の感情を諌める理性があるけれど。薬飲むと、そうしたものがどうでも良く感じてしまって、後先考えずに自分の感情をそのまま外の世界に表現してしまおうって思ってしまう。

 

これまでがんじがらめで身動きの取れなかった自分の感情、怒りを思いっきり自由に発散させたいという気持ちに駆られる。自分の場合は親を泣かせたくないっていう最後の砦があったから自分が崩壊する前にやめた。それに状況が辛いと簡単に薬の量を増やしてしまって薬が1番効いてる状況を維持したくなるのも怖かった。このまま行けばどんどん悪い方に行くっていう。。。

 

一番きついのは辞める時だった。薬が体に物理的に効いていたのと同様に、やめた時の離脱症状も物理的にやってきて1週間ベットからほとんど起きれなかった。体が重力に耐えられないというか、今まで薬で守っていた精神が無防備になっているから外界からの刺激を一切受けたくなかった。やめてみて思ったのは薬がもたらすメリットの3倍は辞める時のデメリットが大きいという事。それに比べるとタバコをやめるのなんて鼻くそみたいなもの。

 

ということを書いてみたけれど、まだ症状が出る時はあるし多分一生治らない。もう病院行って薬貰おうとは思わない。今は在宅勤務で救われてるけど、まだ出社しなければならない事になったら100%発症する。その時に前よりも環境が悪かったら自分がどうなるかは分からない。

 

あと、こういう経験をしたからって別にメリットはないと思う。症状のない人に比べると社会的な弱者であるのは現実だし(たまに電車乗れねーし、1人だけおかしなタイミングで汗だくだし)、何処にでも堂々としていられる安定した精神の人の方が社会では価値があると思うから。

 

メリット、、、あるのかな。あれば良いけどこれまでの体験談で語られるメリットは結局こじつけな気がする。誰だって選べるなら苦痛は避ける。

 

あえてのメリットは当事者としての立場で、自分の経験した範囲で発言ができる事くらいだけど、それは果たしてメリットなのかw