おしゃれは足元からとか、ホテルマンはお客さんの足元を見てるとか、靴がその人の社会的立場や経済状況のパラメーターみたいな話って聞く。

 

確かにボロボロで見るからに不潔な靴を履いている人の印象が良いって事はない。

 

でも、一方で綺麗な靴を履いている人=金持ちだったり、人格的に優れているっていうロジックが腑に落ちない部分もある。

 

今の時代、靴なんていつでもいくらでも買える(お金がある程度あれば)し、表面上の綺麗さなんていくらでも取り繕える。どんな靴を履けば良いのかだって情報が溢れてる。

 

大事なのは手入れのほうなのかもしれない。

 

人間を動物として見た時に、不潔になりやすい場所って、頭皮や口元、爪や髪が思いつく。そして足元は普段隠れているから分かりづらいけれど一番不潔になりやすいと思う。常に地面に接していて必ず汚れる場所だし、汗をかくのに逃げる場所がない。他人の家に行って玄関に靴が綺麗に並んでいても、物として不潔感を感じるのはそのせいだと思う。

 

どんな清潔な人でも、どんなに綺麗な場所で過ごしていても、絶対に汚くなるのが足元。だから、その部分を「継続的に、常に」清潔に保てている(側から見て清潔感がある)事が重要なのかもしれない。

 

ただ、やはり物が手に入りやすいこの時代、スニーカーのような「使い捨て」前提の靴は見た目の綺麗、汚いでは履いている人を推し量るのは無理だと思う。

 

革靴はまだ人となりが少し出ると思う。革靴って基本的にメンテナンスが必須で、劣化しているかどうかが見た目に現れるから。ただ、買ったばかりの靴や、履く頻度が低いと「継続して手入れをしているか」と言う目を向けるべき部分は分かりにくい。

 

何年も履き込んでいるにも関わらずよく手入れされていて、清潔感がある靴を履いている人。くらいしか靴からその人自身の印象が良くなることってないと思う。

 

別に10万20万の高級革靴を買う必要はなくて、3万5万辺りでも、きちんとした革靴はある。メンテナンスが必須の革靴だから、買う時にだれだけ金を出したかよりも、どれだけキチンと手入れできているかの方が重要。

 

そうなると、靴で人を見抜くってやっぱり時代遅れだと思う。